症状別食養療法
胃炎

【 症状 】
代表的な症状では、急性胃炎慢性胃炎胃潰瘍などがある。精神的、肉体的ストレスのほか、抗炎症薬の使用やアルコールや辛いものなど、刺激の強い食品 の過剰摂取が原因。

急性胃炎は、胃腸病に最も多い症状で、3日もたてば消える。暴飲暴食などが原因で、胃壁の粘膜に炎症が起こる。 繰り返し吐いたり、胃がキリキリ痛んだりする。

慢性胃炎は、上腹部のもたれや不快感、食後に胃痛や胸焼け、嘔吐などの症状が見られるが、自覚症状がない場合もある。 慢性胃炎の代表は萎縮性胃炎で、加齢とともに増加する。

急性胃潰瘍は、刺激の強い薬剤や心身的なストレスが原因で起こり、ズキズキうずくような痛みが起こる。 吐血や下血を伴うこともある。胸焼けや吐き気、ゲップも見られる。

消化性胃潰瘍は、消化液が何らかの原因で胃壁の正面から侵食し、炎症を起し、粘膜に欠損が起こる。腹痛や吐血、胸焼けやゲップなどが起こる。

【 対策 】
急性胃炎は、食べ物に注意し、暴飲、暴食をしないよう心掛ける。

慢性胃炎は、タバコはやめ、過度の飲食は慎む。規則正しい食生活をおくる。また、胃炎の分泌を促進する刺激の強い食品は避け、 魚、卵、大豆製品、牛乳など少量で栄養価の高いものを摂る。

急性胃潰瘍は、急性胃炎と同様に刺激物や暴飲、暴食に気をつける。

消化性胃潰瘍は、普段からストレスを溜めないよう穏やかな生活をおくる。食生活では、規則的に栄養を十分に取り、消化の悪い食品や 刺激の強い食品は避け、良く噛んで食べるようにする。

※胃炎で3日たっても痛みが治まらない場合は、急性胃潰瘍、急性膵炎、胆石症などが考えられる。 ヘリコバクター・ピロリ菌感染による胃炎では、慢性胃炎へ進行するとの説がある。慢性胃炎は悪性貧血を併発し、胃がんとなる可能性がある。

【 食べるべきもの 】
 1.ムコ多糖類(コンドロイチン・ムチンなど)含有食品。
 2.ビタミンB2・A・C・E・P・U、ミネラル(亜鉛・カルシウム)含有食品。
 3.精神を安定させるもの。
 4.良質な穀類を主に摂る。

 例)
  自然薯、大和芋、キクラゲ、蓮根、納豆・・・ムコ多糖類を含んだ食品
  胡麻、三年味噌、干椎茸、のり、かぼちゃ・・・組織強化ビタミン含有食品
  麻の実、なつめ、ユリ根、わけぎ・・・精神が安定する食品
  発芽玄米、玄米、黒米、そば、きび・・・良質な穀類

【 食べてはいけないもの 】
 1.油脂類。
 2.ミネラルバランスを崩すもの。
 3.ビタミン利用効率を下げるもの。
 4.粘膜組織を弱めるもの。

 例)
  加工度の高い食品・・・インスタント食品、レトルト食品、練製品
  清涼飲料・・・添加物入り加工飲料すべて
  精製糖類・・・白砂糖、グラニュー糖、氷砂糖、果糖
  動物食品・油脂類・大豆加工品も要注意

【 効果的な成分と、その働き 】
  ●亜鉛・・・胃腸の粘膜細胞の新陳代謝を強化。 
  ●ビタミンB2・・・粘膜を強化し、結合組織を強化。
  ●ビタミンA・・・胃腸粘膜の強化。





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